『戦利品の公爵夫人』は、LINEマンガのファンタジー・SFランキングで上位にランクインする話題の作品です。完璧な貴婦人だったはずが、夫が反逆し敗北したことによって戦利品になってしまった主人公に待ち受ける運命とは?今回はそんな『戦利品の公爵夫人』のあらすじや感想を紹介していきます。

戦利品の公爵夫人について紹介していきます
戦利品の公爵夫人 あらすじ
反逆者の妻として戦利品になったイデル
主人公のイデルは政略結婚によって、年老いたレンカスター公爵の妻になりました。イデルは周囲からの冷たい視線に耐えながら、真面目に公務に取り組んでいました。ところが、夫のレンカスター公爵がイデルの知らないところで帝国からの独立を図っていたのです。反逆の結果、夫は殺されレンカスター家は制圧、イデルは捕虜として城に連れていかれました。イデルは反乱の戦利品として、傭兵出身ながら優れた戦闘能力で伯爵になったラスロに与えられます。
イデルの使用人としての生活が始まった
ラスロはイデルを使用人として屋敷に迎え入れると言いましたが、本来であれば奴隷になる立場のため、イデルは信じていませんでした。ラスロの屋敷についたイデルは、使用人の部屋に案内され、ラスロに夜の相手として呼び出されることはありませんでした。貴族として贅沢な生活は送れなくても、夜ごはんに食べたフルーツが美味しかったことに感動して、平穏な日々が訪れるのを待ちながら、使用人として暮らしていこうと決めたのです。
イデルは洗濯室に配属になり、侍女長から嫌がらせを受けつつも、侍女長のことを良く思っていない同僚たちに助けられて、忙しいながらも穏やかな日々を送っていました。
ラスロとイデルの関係は
妹のリニアためにお金を稼ぐのに必死だったラスロは、お金以外の報酬に興味がなく、権力を欲しがりません。そんなラスロの態度を見て皇帝は、ラスロを自分の忠犬として飼いならそうと決めます。お金以外何も欲しがらないラスロが、とあるパーティーの場でイデルを見つめていたことに気がついた皇帝は、ラスロはきっとイデルに思いがあるだろうと予想して、イデルを戦利品として渡したのです。
ところが、ラスロはイデルに全く手を出さず、恋愛感情を抱いているのかすらわかりません。
ラスロとイデルの関係は恋愛に発展するのか、それとも主と使用人として終わるのかわかりませんが、イデルの聡明さがラスロたちに良い影響を与えていくことでしょう。
感想
『戦利品の公爵夫人』は、貴族ファンタジーの作品の中でお話と登場人物が好みで面白く、続きを読みたいと思いました。
主人公のイデルは、過酷な過去を持ちながらも、悲観的になりすぎていないのが好印象です。娘を政略結婚の道具としてしか考えていない家族との辛い生活に耐えていたのに、イデルの唯一の救いだった妹が自殺してしまった過去には胸が苦しくなりました。
それでも、日常の幸せに感謝しながら、使用人として一生懸命働くイデルの周りには、優しい仲間が集まってきている様子が嬉しかったです。
ラスロは傭兵出身で戦いに強く男らしいのですが、見た目には無頓着で無精髭を生やしてもっさりしています。性格は優しくて不器用で、王子様のようにイケメンで完璧ではないところがリアルな人間味を感じて私は好きです。
ラスロと妹のリニアは、傭兵から出世したことにより、貴族としての自分たちの振る舞いがわからず戸惑っていました。その2人を貴族出身のイデルが助けるという設定が面白かったです。
イデルとリニアが絆を深めていくシーンも良かったです。今後はイデルの助けによって、ラスロ家は正しく繁栄していくことでしょう。
『戦利品の公爵夫人』は、ラスロとイデルの恋愛というよりは、イデルの過去や使用人としての生活を丁寧に描いていると感じます。そのため、甘々な恋愛描写を読みたい人にはあまりおすすめできませんが、しっかりとしたストーリーで人との繋がりや成長していく様子を読みたい人にはおすすめの作品です。
まとめ
完璧な貴婦人だったはずが、夫が反逆し敗北したことによって戦利品になってしまった主人公の運命を描く話題のファンタジー漫画『戦利品の公爵夫人』は、LINEマンガのオリジナル作品として毎週土曜日に更新されているので、気になった人はぜひ読んでみてください。