名探偵コナンの作中で描かれる、コナンが追い続ける犯罪グループ「黒の組織」。
原作が100巻を超え長編作品となり、黒の組織のメンバーも「ジンとウォッカ」以外にも多数の主要メンバーが顔をそろえるようになりました。
「黒ずくめの男たち、なんか仲間増えてない?!」「なんでみんな酒の名前?」「なんでみんな黒着てる?」
名探偵コナンを存分に楽しむためには、黒の組織について理解をすることが必須!と言っても過言ではないほど。作中のスリル、攻防戦を盛り上げ、そして作品の真相に迫ることができる存在であるのです。
今回は、黒の組織の実態について、
- 黒の組織の目的
- 黒の組織の主要メンバー
に分けて、わかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、あなたもきっと黒の組織について語れるようになり、周りのコナンを知っている人・好きな人より、ぐんと詳しい博士になれちゃう!はずです。
黒の組織は一体何が目的なのか??
名探偵コナンが始まりすぐに登場し、新一に毒薬を飲ませたジン、そして相棒のウォッカ。
大金を集めたり、変な毒薬を作ったり、殺人も平然と実行する。(怖すぎる…笑)彼らの真の目的はなんなのか?
ストーリーを追っていくと、黒の組織には大きく2点の目的があることがわかります。筆者の考察も交えつつ、解説していきます。
1.人間の倫理を超えたソフトを開発したい
コナンが出会った最初の黒の組織の仲間は、「テキーラ」という大男でした。とあるゲームの新作発表会に参加したコナン達は、そこで関西弁を話す大男・テキーラが、公衆電話で仲間であるウォッカと、取引が完了した旨の話をしていました。テキーラを追うコナンでしたが、彼は爆破事件に巻き込まれ、命を落としてしまいました。
この事件の中でわかったことは、黒の組織は全世界の有能なプログラマーのリストを大金で得ようとしていた、ということ。
プログラマーなんて雇って何がしたいの?コナンも疑問に思っていたところ、小五郎のもとにゲームのシステムエンジニアが行方不明だという捜索依頼が!
そのシステムエンジニアの名は、「板倉卓」。コンピューターグラフィックで有名で、数々のゲームソフトの開発も手がける有名人でした。
情報収集の中、板倉で事故死したテキーラがやり取りをしていたことがわかりました。コナンは板倉から話を聞かねば…と思った矢先、板倉はホテルの部屋の中で死んでしまっていたのです。
板倉から直接話を聞けずとも、板倉が残した日記データを入手したコナン。阿笠博士とともに分析していくと、テキーラの仲間の女から、開発中のソフトを完成させたら買い取りたいと連絡が来ていたことがわかったのです。
そのソフトが何なのかはわからずも、「われわれ人間のために断念した」と板倉は書き残し、ソフトを完成させずにこの世を去ってしまっていたのでした。
こうした経緯から、黒の組織は有能なプログラマーに、何か人間の倫理を超えるようなソフトを開発させようとしている、ということがわかります。きっと想像を絶するようなソフトなのでしょう…。やはり恐ろしい組織であることに間違いはありません!
2.新薬の開発をしたい
そもそも、コナンが飲まされた「APTX4869」は、一体何の薬だったのでしょうか?
コナンの仲間であり、かつて黒の組織でAPTX4869の開発をしていた灰原(本名:宮野志保)は、作中で「毒なんて作っていたつもりはなかった」と話しています。つまり、何か良い目的のために薬を開発しようとしていた、と考察できますね。例えば、大病を治す治療薬、など。
ここでは
- 誰が開発した薬なのか
- 薬の目的は何なのか

上の2点に分けて解説していきますね。
①誰が開発した薬なのか
もともと灰原がなぜ黒の組織に入ったのかというと、両親が先に薬の開発に携わっていたからでした。
彼女の父親は「宮野厚司」。医者であり科学者。阿笠博士も彼を知っており、”自分の発明を褒めてくれた気さくな人”、と表現しています。母親は「宮野エレーナ」といい、彼女も医者で、2人で病院経営をしていました。
宮野厚司は何かの研究をしていて、その研究のバックアップをしたいと、研究施設からオファーを受けていました。そうして、宮野夫婦はその研究所に入ったのですが、まさにその研究所が黒の組織であったのです。
コナンと灰原を幼児化させてしまったAPTX4869は、もともとは宮野夫妻が研究していた薬でした。宮野夫妻は研究所の火災で命を落としてしまい、灰原は両親の研究を引き継ぎ、組織に入ったのです。
②薬の目的は何なのか
灰原はこの薬を両親が「作らされていた」と表現していて、宮野夫妻が本当に作りたかった薬とは異なる薬の開発を強要されていた、とも読み解くことができます。毒薬を作るつもりはなかった灰原も、組織にだまされて研究所に入ってしまった可能性がありますね。
ではその薬の目的は何かというと、前項で解説した組織の女と板倉のやりとりの中にヒントがあります。
その組織の女は「われわれは死者を蘇らせようとしている」と板倉に伝えていました。宮野厚司の夢であった何かの研究と、組織の死者を蘇らせようとする目的。またコナンと灰原が幼児化してしまった事実。これらが組み合わさると、宮野夫妻が作りたかった薬の研究を黒の組織が利用して、「不老不死」といった効果を生む薬の開発をさせていた、とも考察できます。
作中で描かれる宮野夫妻は、阿笠博士もいうように、温厚で優しい人柄なのですよね。人のために行っていた研究を悪用された、という見解が一番しっくりときます。
実際、灰原はAPTX4869の被験者リストから、工藤新一の家を尋ねていたり、死亡者の確認もしていました。この薬が殺人に使われていたことも事実です。筆者としては、不老不死の薬を作る過程で死亡者が出てしまい、殺人に使用する毒薬へと変化してしまったのではないかと考えます。
黒の組織の主要メンバー
こんなに恐ろしいことを実行し続けている黒の組織。ボスは誰なのか?たまに出てくるこのキャラは何?そんな疑問にお応えすべく、簡潔にご紹介させていただきます。
ボス 烏丸蓮耶
彼が黒の組織のボスであることは、原作95巻で明らかになりました。烏丸はもともと、半世紀前に99歳で謎の死を遂げた謎の大富豪、として登場していました。作中で、宮野夫妻を呼んだ研究所も烏丸グループのものであることが明らかとなりました。烏丸を中心にソフト・新薬の開発を急いでいたことは事実とわかりましたが、なぜ死んだはずの烏丸が組織メンバーに指示を出せるのか…。しかも生きていたら150歳というあり得ない年齢。
…もうお分かりですね?そう、烏丸は組織の目的かもしれぬ「不老不死」、コナンたちの「幼児化」と深く関わっている可能性が高いのです。
ラム(RUM)
組織のNo.2で、その容姿はさまざまな噂があり、組織メンバーもジン以外は会ったことがないようす。左眼が義眼で、何かの事故で負傷しています。
瞬時に罠を見破る洞察力、一度見たものを忘れないという記憶力、推理力と全ての能力に長けています。今は脇田兼則として、毛利探偵事務所の隣にある「いろは寿司」で見習い板前をしています。小五郎の周辺を探ることで、組織の脅威になる人物を探っているのでしょう。今後のコナンたちへの接近に目が離せません!
ジン
誰もが知っている、新一に毒薬を飲ませた張本人。長い銀髪、高い洞察力と推理力を持ち、「疑わしきは罰せよ」と躊躇なく人を殺す残忍さで、最強の悪役として登場し続けています。実は左利き。愛車はポルシェ356A。ちょっとドジな相棒ウォッカの行動も確認し続け、しっかりアニキ的な役割もこなしています(笑)。今後のコナンとの対峙に、多くのファンが1番期待している人物です。
ウォッカ
ジンをアニキとして慕い、運転役・相棒を務めています。ジンほどの頭のキレはなく、コナンの罠にはまりかけドジを踏む場面も。なんとなく憎めないキャラクターで、彼を好きなファンもきっと多いはず。
ベルモット
ハリウッド女優・シャロン・ヴィンヤードとしても活躍していましたが、今はアメリカを離れ日本で組織の一員として奮起。「女は秘密を着飾って美しくなる」という名言の通り、秘密にあふれた女性です。ボスのお気に入り、と言われるも、他の組織メンバーからは嫌われていたり。何十年と歳をとらず若いままでいたり。誰にでもなり替わる変装術も持ち合わせていたり。
彼女は新一を「シルバーブレット」、蘭を「エンジェル」と呼び、敵であるにも関わらずコナン・蘭のことは絶対的に守る、そんな不思議なキャラクターでファンを魅了します。
キャンティ
組織の女性スナイパー。左眼に蝶のタトゥーをしているのが特徴で、言葉遣いがとても悪い!(笑)ベルモットのことが嫌い、と悪態をついていますが、銃の腕はさすがのもの。近年劇場版にも登場しており主要メンバーとなっています。
コルン
キャンティとコンビを組んでいる、男性スナイパー。短い単語でしか会話をしない大人しいキャラクターですが、狙撃や記憶力に長けた強力な組織の一員。キャンティとともに劇場版にも登場しています。
キール
アナウンサーの水無怜奈として登場後、黒の組織の一員・キールであることが発覚。しかし彼女の本当の正体はCIA諜報員で、黒の組織にスパイとして潜入捜査をしているのでした。組織が「シルバーブレット」と恐れるFBI捜査官・赤井秀一の殺害偽装計画にも加わりました。亡くなった父親のため、自身の正義のために、スパイとして活躍する彼女の強さは必見です。
バーボン
ジンに劣らない洞察力・推理力で一躍買われている組織の一員。しかし、キールと同様に潜入捜査をしているスパイで、本当は降谷零という公安警察の警部です。ラムから新一のことを調査するようメールを受け取ったりと、スパイとばれずに組織の中で大きな信頼を得ていることがわかります。ベルモットとペアを組み動いていると思いきや、コナンの推理力に気づきともに戦う、そんな勇敢なキャラクター。劇場版でも数多く登場し、女性ファンも多いですよね。
黒の組織とコナンの対峙に期待!
黒の組織編として、組織の目的や組織メンバーを含め、その実態についてお伝えさせていただきました。
作品は佳境を迎えつつも、まだ解明されていないことが多数ありますね。今回は筆者の考察のもとお伝えしましたが、作者・青山先生の頭の中は、誰も想像をできないような、そんな展開ですでに決まっているのでしょう。
黒の組織編は、アニメ・原作ともにどのファンからも評価の高いストーリーが多いです。コナン初心者の方でも、黒の組織編だけでも分かれば作品全体の構造が理解できるような気もしますね。
今後の展開も見逃せない名探偵コナン。あなたもまず、黒の組織編からのぞいてみませんか?
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